前回同様、Timothy Kellerさんの著書、『この世界で働くということ』について解説させていただきます!
(前回の投稿はこちら↓)
2. 職場でどのように行動するべきか
前回、私たち人間が仕事をするのは良いことである、ということを学びました。では、その良い仕事に対して、私たちはどのような態度で臨むべきでしょうか。
ここでは2つ、お伝えしたいと思います!
①あらゆるところに聖書的な価値観を取り入れる
「すべての仕事は、あなたの隣人を愛する基本的な手段」[1]です。
非営利の活動だけがこれに当てはまるのではありません。どんな仕事でも、です!
これが、聖書の根本的な考え方です。そして、
A. 自分が神にデザインされたような働き方を行える仕事で
B. 他者や所属する業界のために働く
ことが、あらゆるところに聖書的な価値観を取り入れる、つまり、隣人を愛することです。
もう少し、AとBについて、詳しくみていきましょう!
Aについて
自分の才能や能力、力量などを、過小評価するのでも過大評価するのでもなく、適正な範囲で他者に貢献できる仕事を選ぶ、ということです。
補足
幸か不幸か、持って生まれたものや境遇の違いで、できることは人それぞれ違うと思います。
タラントの話のように、5タラント分できる人もいれば、2タラント分できる人もいます。これは、受け入れるべき現実だと思います。
ですが、
自分は2タラントしか無いから頑張らなくちゃいけないとか、
自分は才能にあふれているから頑張らなくてもできるとか、
そういう成果の量に目を向けるのではなく、どれだけ神の愛の中にいられたか、これを基準にしたら、自分の範囲内の仕事というのが、私は少し分かりました。
Bについて
仕事とは隣人を愛するための手段、と、ここでは申し上げているわけですから、自分の利益だけでなく、所属するチームや会社の利益を求める、チームや会社の人のために働くべきだ、という考えには、納得していただける方が多いと思います。
これはもちろん正しく、大前提なのですが、本書では、できれば、もっと広い視点で考えましょうと教えています。
つまり、お客様のお客様やエンドユーザー、さらには将来の世界像なども考えて、仕事をしましょう、ということです。
個人的な意見ですが、こうすることで、目先の利益だけにとらわれにくくなると思います。
エンドユーザーのことや、や将来どんな世界を残したいか、って考えたら、
エンドユーザーまで届くように丁寧な説明をしたいと思いますし、
後輩に禍根が残るようなことはしたくないから、できるだけ公正なビジネスをしようと思いますし、
自分の会社だけでなく業界としても成長できるように、質の高いサービスを提供したいと思います。
大きな視点で仕えることを考えたいものですね。
②虚しさを受け入れる
えぇ!と思われたかと思います。少し手厳しい結論ですが、先にお伝えします。
それは、「虚しさを受け入れる」[2]ことだと本書では説明されています。つまり、
- (特に今の若い世代によくみられる、)より良い世界を創る、自分に合った最高の仕事を見つける、という理想だけに囚われるのでも、
- (戦争や大恐慌を経験して仕事が無かった世代にみられる、)自分が必要なお金さえ手に入れば良い、深く考えこまずに最低限の仕事だけをしよう、と悲観的になるのでもない、
ということです。
「仕事はストレスと満足感の両方の側面を持ってい」[3]ますので、この極端な2つの間でバランスを取ることが必要です。
これが、「虚しさを受け入れる」とお伝えした理由であり、私たちが仕事へ望む時の理想的な態度だと本書は説明しています。
補足
「虚しさを受け入れる」ことに関しては、
自分の理想を追い求めるだけじゃなくても良いんだ!と、気持ちが楽になった方もいらっしゃるでしょうし、
そんなのダメだ!俺は/私は最高の仕事をするんだ!と、賛同できない方もいらっしゃると思います。
ここからは個人的な意見ですが、もう少し具体的なアクションプランまで落とし込んでお話させていただければと思います!
やりたいことが見つからない、今の仕事は本当に自分のやりたいことではない
他の人みたいにかっこいい仕事じゃない
今3つ選択肢があるが、どれを取っても神様の理想には程遠い
私が作ったプランが一番人を愛し神様を愛する方法だと思うのに、全然上手くいかない、周りから賛成してもらえない
皆さまも、一度は悩んだことがある項目があったのではないでしょうか。(ちなみに私は全部です!笑。)
悩みは尽きないとは思うのですが、やりたいこととか、大きな夢とか、あるとカッコイイし、絶対無いより良いじゃないですか。
また自分が仕事の中にいると、何とか理想を実現させたい、もっと良くしたい!、と思うじゃないですか
ですが、
- 数年先でも、将来のことって結構分からないですし、
- 一生懸命作って完成させたプロジェクトでも、一瞬で壊れてしまうこともありますし、
- キャリアなんて自分だけで決められるものではないじゃないし、、、
(ちなみに数年前、私はこうして自分がブログを発信させていただけるなんて全く思っていませんでした!笑。)
なので、
- 今自分は何がしたいか、など、目の前のことに対して自分がどうありたいか、何をしたいか、しっかりとした考えを持って、
- 今の理想に近づくように努力はして、
- たとえ思うようにいかなくても、目の前のことには自分の責任の範囲で一生懸命取り組んで、
- それ以上に関しては、身をゆだねる
ように私はしています。
(偉そうに言っていますが、出来ているとは言っていないです!笑。毎日もがいてあがいてしまいます笑。)
俗的!と言われてしまうかもしれませんが、夢や希望、期待が無い人生は、ちょっとつまらないかなあと思います。
ですから、自分がどうありたいか、は考えておいて、それに近づく努力はしても良いと思います。
(神様だって、期待して祈りなさいとか言ってるし、いいんじゃないかな!と思っています!)
かといって、夢や希望を人生の全てにしてしまうのも、辛いかなあと思います。
それで成功すれば良いのかもしれませんが、成功するか否かなんて本当に紙一重だと思います。そもそも成功が何か私たち人間は分からないですね。
ですから、(牢屋のジョセフのように)目の前のことには一生懸命になって、あとは身をゆだねる、人生を楽しむ、ように私はしています。
まとめ
今回は、Timothy Kellerさんの著書、『この世界で働くということ』について解説させていただきました。
本書は、いわゆるクリスチャン的なことを職場で実践する方法ではなく、
働く人全てを対象に、仕事とは何か、良い働きをするためにはどうしたら良いか、
ということが書かれています。
仕事は本来良きものであり、私たちが働くのは良いことなのです。
そして、職場ではあらゆるところに聖書的な価値観を取り入れ、時に虚しさを受け入れながら、目の前のことには一生懸命取り組むというのが、働くということではないでしょうか、
というお話をさせていただきました。
いかがでしたでしょうか?感想・コメントなどもお待ちしております!
引用
[1] ティモシー・ケラー著、峯岸麻子訳『この世界で働くということ 仕事を通して神と人とに仕える』いのちのことば社, 2018年3月30日, p.106
[2] ティモシー・ケラー著、峯岸麻子訳『この世界で働くということ 仕事を通して神と人とに仕える』いのちのことば社, 2018年3月30日, p.123
[3] ティモシー・ケラー著、峯岸麻子訳『この世界で働くということ 仕事を通して神と人とに仕える』いのちのことば社, 2018年3月30日, p.127
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